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だから愛していますご主人様―エクストラメイドデイズ!!―vol.1

こんばんわ、あるてぃめっと☆るいるいです

長らくお待たせしました!
ひさしぶりの「だから愛していますご主人様」新作です!!

短めにさっくりと仕上がっておりますので
軽くよんでみてはいかがでしょうか

いつもの抱かぬしに、ちょっとだけスパイスで味をつけておきました
楽しんでいただけたらと思います


それではどうぞ、抱かぬしの世界をお楽しみ下さい!





だから愛していますご主人様
―エクストラメイドデイズ!!―vol.1




 ある日いつもの昼下がり。
 この巨大な教会の主である男の部屋に、そろりと小さな影が忍び寄る。
 およそ教会に似つかわしいとは言えないその部屋には、男が一人パソコンに向かって座っているだけだった。
紫「お邪魔しまーす」
 可愛らしくこそこそと部屋へ入ってきたのは、紫。
 しかし熱心にキーボードを叩く男は、なにやら非常に集中しているようで、自室の侵入者に気づく様子はない。
 紫は自分が気づかれていないことに、むしろ安堵したかのように頬を緩めると、部屋中央にしつらえられた椅子へと座る。
紫「ふふ」
 男の背を見ながら満足そうに笑うと、紫はぷらぷらと足をゆすりながら、その背をじっと見つめた。
 彼に用事があったわけではなかった。
 なんとなく、空いた時間を持て余してこの部屋へとやってきたのだ。
 邪魔にならないようだと判断した紫は、音を立てないようにじっと、大好きなご主人様を見つめる。
 あそこに座っているときは、なんだが別人みたいで面白かった。
 かたかたかたかた。キーボードをたたく音だけが耳に響く。


 それから十分の時間が経ったころ、また扉が開いた。
 紫と同じようにして静かに入ってきた少女は赤。
赤「あれ、紫ちゃんだ」
 どうやら彼女もまた、特にすることもなくふらりとこの部屋へやってきたようだ。
赤「集中してますね、ご主人様」
紫「ねー、すごいよね」
赤「ここにいると邪魔になっちゃいますかね」
紫「たぶん大丈夫だと思う……かな?」
赤「確かに、この様子ではあまり気づきそうにもありませんね」
 くすっと小さく笑う二人の少女。
赤「あ、お茶いれます?」
紫「うんっ」
 紫の返事に赤は頷くと、部屋の端においてあるポットを使い、慣れた手つきでぱぱぱっとお茶を入れていく。
 コポコポとポットからカップへと注がれる熱湯からは湯気が立ち、部屋中に霧散する。
 続いてお茶のおっとりとした香りが散らばった。
赤「どうぞ」
紫「ありがとー」
 ふーふーと熱いお茶に息を吹きかけて冷ます。
紫「あちちっ。冷ましたのにー」
 その姿をみてくすくすと赤は笑った。


緑「あれ?」
青「紫と赤」
 又も部屋へと来訪者が現れた。
 藍色よりも濃い群青の髪を持つ少女青と、萌葱色の奥行きある緑の髪を持つ少女緑。
 この家の静か系マイペースペアである。
青「どうしてここに?」
紫「えへへ、ちょっと時間があったのでついつい」
赤「私も、紫ちゃんにおなじく、ついつい。青ちゃんと緑ちゃんも、そうかな?」
 しかし青と緑は首を振る。
緑「銀を探してた。ここにいるかなって」
赤「銀ちゃん? この部屋には見てのとおり私と紫ちゃんだけだよ。……あ、もしかして私が来る前とかに、銀ちゃん居たのかな?」
紫「ううん、居なかったよ。でもなんで銀?」
青「中庭で使えそうなものが倉庫に」
 なるほどーと赤と紫はうなずく。
 この家の倉庫は、いまだその全貌を明かしていないのだ。
 だからたまに倉庫を見てみれば、何か面白いものがでてくることもある。
緑「銀が見当たらないときは大抵ご主人様いじり。だからここかと」
 なるほど……、と苦笑気味に赤と紫はもう一度頷いた。
緑「……む」
紫「どうしたの?」
 緑が鋭い目つきで、部屋のベッドを見た。
緑「ちょっと変」
赤「ん? ……あ、ほんとだ」
 よく見ると、少し不自然に掛け布団が盛り上がっているのが分かった。
 冬という事もあり、ご主人様は厚めの掛け布団を掛けていたから、よく見なければその厚みであろうとしか気付けないような違い。
 だからだろう、赤と紫はそれを見過ごしていた。
 つかつかと緑はベッドに近づき、掛け布団を剥ぐ。
 そこにはこじんまりと丸まった少女が一人、隠れていた。
銀「わっ、見つかった」
緑「やっぱり」
紫「本当に銀がいた!」
 あははーと銀は笑う。
青「何してたの」
銀「ベッドで待ち構えてご主人様を襲ってやろうと思ってたんですけどね……」
緑「それは面白そう」
赤「こらこら、やっちゃだめだよっ」
緑「ふむ」
銀「でも今回は未遂ですよう。部屋に戻ってきたら一目散でパソコンにむかってしまわれたもので、機を逃していたのです」
紫「なら出てくればよかったのにー」
銀「せっかくでしたので、覗き見と隠れん坊まがいな事を楽しんでました。いやはや、これも面白いですね!」
 曰く、機を逃してしまった銀は、ご主人様を掛け布団の隙間からこっそり観察しつつ、その後入ってきた紫や赤を見て一人楽しんでいたようだ。
銀「しっかしこれだけ居てもご主人様は気付かないんですね~。よっぽど集中してますな」
緑「自分の世界」
赤「あはは、確かに」
銀「じゃあ今度は堂々と観察しますか」
緑「観察しますか」
青「こくこく」


 五人もの少女が部屋にいるというにも関わらず、依然男は気付かない。
 その集中力はまるで常識とかけ離れているが、しかしそれこそが彼が成功した大きな要因に他ならなかった。
 常に変動を見極め無ければいけない世界。それが、彼の戦う世界なのである。
 だからこの部屋の光景は一種異様。
 ディスプレイから一瞬たりとも目を話さない真剣な眼の彼と、テーブルを囲んでお茶をしながらのんびりとしている彼女達とのギャップは、笑ってしまうほどに大きかった。
 おかわりのお茶を入れながら、赤はちらりと窓の外を見やる。
赤「外、寒そうですね」
銀「やっばいよー。ここ最近は中庭の昼寝もままならないですからね」
赤「ん、もしかして……寝ようとはしてるんですか?」
銀「え? うん」
青「ぱわふる」
緑「風邪ひきそう」
銀「何とかなってるから大丈夫です! ……ほら、見てください」
 銀が窓の向こうを指差す。
 そこには寒々しい空の下、楽しそうに駆け回る少女が二人。
緑「褐と……桃?」
銀「ですです。あの二人の方がパワフルでしょう?」
赤「で、ですね……」
紫「何してるのかなー、鬼ごっこかな?」
 うずうずと、参加したそうに紫は言う。
青「たぶん競争」
赤「あー、そうみたいだね」
 その二人が、ふとこちらに気付く。
 窓がしまっているため部屋の中に声は聞こえなかったが、なにかこちらを指差しているのが分かる。
紫「あれ、金ちゃんもいるー」
 どこに居たのか、寒そうに上着を羽織った金が、ひょっこりと現れた。
 どうやら三人とも、こちらへ来るらしい。


 しばらくして、扉が開かれた。
桃「やっ、なんでここにみんな集まってるるん! か、かんでないぞー」
紫「偶然だよー。いまはお茶してたの」
褐「ご、ご主人様に迷惑じゃないの?」
銀「ご覧のとおり、気付いてすらいないみたいですし」
 その姿をみて、あー、と頷く。
 そうして最後に金が入ってきた。
金「こら、二人とも、お家に入るときはちゃんと靴をそろえてくださいませ。だめですわよ散らかしっぱなしじゃあ」
褐「わたた、また忘れてたか、ごめんごめん」
桃「ぷー。はやくこっちにきたかったのののー!」
金「桃ー?」
桃「う……うう……」
 じっと見つめる金の瞳に、桃はじりじりと後退する。
桃「ううう、ごめんなさいいい」
金「よろしい」
 ふう、と息を吐きつつ苦笑する金。
緑「金も外で競争?」
金「違いますわよ。この二人のタイム測ったりどちらが先にゴールしたか見ていたり……まあ、保護者みたいなことをさせられてましたわ」
桃「えへへー。ありがとうね金ちゃん!」
金「はいはい」
赤「外寒かったですよね、はい、お茶です」
 いつのまに入れていたのか、赤がテーブルへとお茶へおく。
金「助かりますわ。外は本当に寒くて……」
 そうして金、褐、桃も含めて、お茶会は続いていった。


 なんとなく皆も予想していた。
 これだけそろっていれば、残りの人も来るだろう、と。
 だからもう一度扉が開いたとき、室内にくすっと笑いが漏れたのだった。
黒「ご主人様、次の買出しだが……む?」
茶「あらあら、みんなおそろいなのね」
紫「おそろいでーす!」
銀「でーす!」
 仕事の報告でもしにきたのだろう。黒と茶はいくつかのファイルを持っていた。
黒「驚いたな、これだけ集まっていても気付かないのか、この方は」
 あきれ気味に笑い、みんなの居るテーブルへと二人は来る。
茶「あれ、女様はいないのかな?」
褐「女様は寝てるよ。さっき一緒に外行こうって誘ったら、冬眠中だーって言われたもん」
桃「あはは、言ってってたね! かんだ!」
金「あら、仲間はずれはいけませんわね。せっかくですし、こちらに呼ぶべきでは」
黒「いや……。大丈夫だろう。ほら見ろ、もうすぐ三時だ」


 リーン。
 三時を知らせる鐘の音が、この家を小さく振るわせる。
 少しだけ薄暗い空の下、冷え切った金の鳴らす音は幾分いつもよりも高く。
 教会の鐘は、一日に四度。
 午前六時、正午、午後三時、午後六時に鳴り響く。
 それはあまり大きな音ではなく、山を降りればそれは聞こえない。
 この山にある建物はただ一つこの教会のみ。だからこの音を聞けるのは、この家の住民だけだった。


 音が鳴り終わると同時に、何かどたどたと駆ける音がする。
 そうして数秒後。
女「おやつターイム!!」
 寝起きで髪の跳ねた、どこか間の抜けたメイド長が現れたのだった。


女「ふーん、皆いつのまにかこの部屋にあつまったわけだ」
 金と緑が焼いたクッキーをつまみながら、女は言う。
金「居心地が良いからでしょう」
赤「あはは、そうですね」
 みんなでお茶をする。
 すでにカタカタとなるキーボードの音は、かき消されていた。
女「なんだよー呼んでくれればよかったのにー」
茶「今の今までぐっすりではありませんでしたか?」
女「はっはっは、まあそうだけどね! 冬は寒くてさー、動く気しないのよ」
青「こくこく」
女「でしょー。……で、こいつ結局まだ気付かないのか」
 既にこの部屋には全員が集合している。
桃「しゅうちゅーしてますからっ!」
女「でも肩たたけば大体気付くよね?」
赤「はい。ですが元々特に用事もなく、邪魔しないようにと思って来ましたので」
黒「私達も用事はあったが、急ぎでもないしな」
女「なーるほど。でももう三時すぎったっしょー? 確か三時でいったん終わるとか言ってた気がするし、そろそろ終わるんじゃないかなー」
黒「うむ、そのはずだ」
 時刻はちょうど、三時を二十分ほど過ぎた。
紫「そういえば、幽霊さんはこないのかな?」
桃「あやや、そういえばいない!」
赤「せっかくですし呼びますか」
 と、赤が言ったところで、ついに沈黙の男が大きく息を吐いた。
男「ふああああ、つっかれたー! 今日は面白かったな、かなり動いた」
幽「うむ、目が離せんかったな」
男「だな。……あれ、なんで皆居るんだ?」
 振り向いた男が、ぽかんと皆を見る。
赤「話すと長くなりますが……、幽霊さん、いつから居ました?」
 はははと”私は”笑いながら答える。
幽「最初からだよ」


 こうしてこの部屋でお茶会が始まった。
 それは外の寒さを吹き飛ばすほど暖かく、私はついつい口を緩める。
 この家はずっと、静かな空気が流れていた。
 流れる音は一つの鐘。
 毎日四度だけなるのが、この家に響く唯一の音。
 それが今ではこんなにも騒がしい。
 一体それがどんな奇跡により生み出されたものか、私は知るわけも無い。
 ただ、今は幸せなんだなと実感できる以上の何者でもない。
 私はそれだけで良いのだ。
男「おい、何ぼーっとしてんだ?」
幽「む、ふむ。老化かの」
男「お前年とらねーだろ」
幽「はっはっは、確かに」
 ゆっくりと時は過ぎていく。
 日が暮れても、部屋は明るく灯っていた。


だから愛していますご主人様―エクストラメイドデイズ!!―vol.1 end







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今回は幽霊さんが語りなのですね
流石殿下、デイトレで500億稼ぐだけありますな
天晴れですぞ
更新お疲れ様ですっ

幽霊さんの昔話も聞いてみたいな。

No title

まだ開いていない部屋があったはず・・・w

No title

色々見て回ってたら某まとめサイトからこの作品見付けました。
すごくいいタイミングでエクストラが更新されてテンションあがりまくり
もうドップリ浸かってます…
これからも楽しみにマッタリと待ちます、頑張ってくだされ。

前抱か主を催促してしまった者です!
更新お疲れさまです!!
いやさすが!!!w
いつもほんわかありがとうです。

まとめで読んでとんできました!久しぶりに読み入った作品でした。
更新楽しみにまってます!頑張ってくださいー!

おへんじ

敬称略
>>土嚢
そうですですw
ちょっと遊んでみたのですが、楽しんでいただけたでしょうか
おつありですのよっ

>>水無月
あれ長いんだってえええ
時間あるときにかきたいけど、もうちょっとまってもらうことになるとおもいますorz
ごめんよ

>>(; ・`д・´)
院長さんの私室ですな、よくおぼえてらっしゃるw
アレをあけるときは院長さん編かなあ

>>風真
はじめまして!
たのんしんでいただけてなによりです
これからも待ったり更新してしきますので、よろしくですっ

>>名無しのかたがた
おつありなのです、がんばりますね!
抱かぬしは時間さえあれば、書くのがとっても楽しい物語なので
どんどん更新したいところでありますw
末永くお付き合いくださればっ

No title

>>1乙

感謝

借り物競争のお題・・・というわけではありませんが、時も忘れて読み入ってしまうようなSSをありがとうございました。
ご主人様(作者)へ感謝の気持ちを伝えたく思い、書き込ませて頂きます。
読みやすく、素直に受け入れられる文章もさ
ることながら、ご主人様が描いた各々の心情や行動に心動かされました。
出会えてよかったと心から思っています。
このSSからはすでに充分なモノを受け取っておりますが、純粋に男とメイド達の物語をまだ楽しみたいので、続きが読める日を期待しながら閉じさせて頂きます。

No title

2ちゃんねるから参りましたミ
これからも更新お願いします^^

No title

まとめ含めて一気読みさせて頂きました。
明日出張で早起きだというのにこんな時間まで、、、
これから過去に遡らせていただきます。
楽しい作品をありがとうです!

No title

某SSまとめサイトでこの作品を見つけてきました。
本当に面白いストーリで夢中になりました!!
これからも楽しみにしてます。

No title

やっとおいついたぁぁぁぁぁぁ
次回作期待してます

ありがとうございます

まとめサイトで一気に読ませていただきました。
今作も同じテイストでとても楽しませていただきました。

震災とそれに伴う悲しいニュース、怖いニュースが
多い中、ほっとすることができる作品だと思います。

可能であれば、少しずつでも続けて行ってくださると
とても嬉しいです。

私は暖めていただいた心を胸に、仕事をがんばって
たくさん義援金、税金を納められるようにします。

No title

まとめから一気に読ませていただきました
文章などが読みやすくとまりませんでした
これからも頑張ってください!

No title

この話は特に素晴らしい。

No title

どうも。

この間、まとめで抱かぬしを発見してからどっぷりとはまってしまっちゃいました。

ちょくちょく見に来たいと思いますので、Meのためにも頑張って書いてくださいwww
ヽ(*´▽`)ノ ヒョイ  (((((((ファイト!)

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プロフィール

あるてぃめっと☆るいるい

Name:あるてぃめっと☆るいるい
***
物語とか絵とかゲームとか、
色々つくることが大好きです。
基本は文章書き。

2014年4月以降で現在お仕事募集中です。
お気軽にご相談ください。
安くて早くて安心ね! を目標に。
メールのレスポンスは超早いです。

連絡先は以下です。
bagarana☆yahoo.co.jp
(☆を@に)

Twitterはこちら→Ul_Rui_Rui
(たぶんコレが一番頻度高いです。
 細かい情報は全部ここで済ませてたりする)

ニコニコ生放送もやってます
コミュ→co15316

よかったらみてやってくださいまし

以下は僕のpixivですわー



↓シナリオライターやりました↓
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